モバイルバッテリーって新しいのがでたらついつい買っちゃうんですよね・・・。そろそろドミノ倒しで遊べそうなくらいの数になってきました(;´Д`)
そんなモバイルバッテリーですが、最近はUSBの新しい端子「USB-C」が付いているのがふえてきました。そして新しい充電規格の「USB PD」も対応品がぞくぞくふえています。
でもこのUSB PD、どの商品が対応してるのかイマイチわかりづらいんですよね。最初はUSB-C端子が付いていればUSB PDなのかと思ってたんですがそうではありません。
ですのでこのページではUSB PDに対応しているモバイルバッテリーをまとめました。また、大電流でスピード充電できる反面、いくつか気になる点もあるUSB PDの基礎知識も解説しています。
ここに載せている20,000mAhを超えるような大容量モバイルバッテリーは、地震など災害時にも非常に心強いのでぜひ備えておきたいアイテムです。
USB PD対応モバイルバッテリーまとめ
RAVPower 20100mAh PD
とにかく安く高品質なPD対応モバイルバッテリーがほしいならこれ。
最大30W(5V/3A、9V/3A、12.0V/2.4A、15V/2A、20V/1.5A)の出力で充電できるモバイルバッテリーがこのRAVPower 20100mAh PD。もちろんUSB-C端子を備えたMacbookの充電が可能です。
USB-C以外に2つのUSB端子がありますがどちらもデータ転送に対応。つまり、片方にパソコン、片方にスマートフォンを接続すれば、両方を充電しながらデータのやりとりができます。
バッテリー容量も21,000mAhと大容量なので、iPhone 7を約6回, iPad Mini 4を約2回, Macbook 2016 12inも約1回フル充電。サイズは約172x80x20mm、重さは約380gです。
PD対応のUSB-C&USB-Cケーブルは付属しますが充電器はありませんので、USB PDでバッテリー本体を充電するには別に充電器を用意する必要があります。
RAVPowerブランドのモバイルバッテリーや充電器はamazonでも評価が高くロープライス。この手の商品で有名なAnkerより、同じような性能でより安く買うことができます。
この商品は私も購入してレビューしていますので、よろしければご覧ください。
cheero Power Deluxe 20100mAh
用途や性能に合わせてたくさんのモバイルバッテリーを発売しているcheeroからも、ついにPD対応の大容量バッテリーが登場。
こちらは20,100mAhとなり、PD充電時の電力は最大で45Wを実現。つまり上記のRAVPowerより高い出力があるので、マックブックなどノートパソコンもより早く充電ができます。
さらに45W以下ではPD対応でも充電ができないノートパソコン(レノボのX1シリーズなど)も、このバッテリーなら充電が可能。また過充電時・過放電時・短絡化・発熱時自動停止機能があるので安心です。
充電器はついていませんが、両端がUSB-C端子のPD対応充電ケーブルは付属されています。
こちらも購入して以下の記事でレビューしています。
Anker PowerCore Speed 20000 PD
20,000mAhクラスのUSB PD対応モバイルバッテリーで世界最軽量(2018年3月時点)なのがこのAnker PowerCore Speed 20000 PD。
同じAnkerのPowerCore+ 26800 PDよりやや容量は劣りますが、普段遣いなら十分な量といえるでしょう。実際、iPhone 8や7なら6回以上、MacBook(2017年モデル)を1回以上、iPad Pro 10.5インチを約2回もフル充電が可能です。
こちらもPD対応なので本体充電が激速。なんと4時間でバッテリー本体をフル充電できます。PD対応USBケーブルはもちろん、本体をPD充電できる急速充電器も付属。サイズは約168x62x22mm、重さは約360gです。
RAVPowerより値が張りますが、そのぶん必要なものはすべて揃っている商品です。
これも実際に購入してレビューしています。
MRCOOL モバイルバッテリー 10000mAh
20000mAhもいらないからできるだけコンパクトなPDモバイルバッテリーがほしい、という方に最適なのがこのMRCOOLモバイルバッテリー。
容量は10000mAhと十分ながら、iPhoneとほぼ同じ大きさのコンパクトさを実現。iPhone7&iPhone8に約3回、iphone7plusに約2-3回、Xperia XZ1に約2回、iPad Airに約1回の充電が可能。
ただし、最大出力は18WとPD対応としてはかなり控えめ。容量を考えてもノートパソコンというより、あくまでスマートフォンを高速充電するのに向いている製品ですね。
PD対応ケーブルやキャリングケース(かなり作りが雑ですが・・・)も付属していて低価格なのはうれしいポイント。
購入レビューはこちらです。
Anker PowerCore+ 26800 PD
格安&高品質のモバイルバッテリーといえば、Ankerの製品はやっぱり外せません。このAnker PowerCore+ 26800は製品名の通り26,800mAhの大容量でたっぷり充電が可能。
MacBookやMacBook Proをフル充電してもまだ余るハイスペックです。USB PDのスペックはRAVPowerと同じく最大30W。
さらに、本体のほかにPD対応のUSB-C&USB-Cケーブル、そしてこちらもPD対応の充電器がセットになっています。ですのでバッテリー本体をわずか4.5時間のハイスピードで充電することができます。
また、雷から守るサージプロテクターやショートを防ぐ保護回路を内蔵しているので、安心して使うことができます。サイズは約180x80x24mm、重さは約580gです。
AUKEY 20000 PD対応モバイルバッテリー
Ankerと社名やデザインが似ていてまぎらわしいAUKEYのPD対応モバイルバッテリーがこの商品。容量は20,000mAhとなっています。
USB PDの出力としては5V/3Aの15W、9V/2Aの18Wに対応と、ライバル商品に比べてやや控えめのスペックなのが気になる所。
通常のUSB充電は2つの端子とも5V/2.4Aの出力です。USBケーブルは付いているのですが片方がUSB-AとPD対応でないのが残念ですね。
AUKEYは購入すれば誰でも2年保障がついてくるのはうれしいポイント。価格もAnker、RAVPowerに比べて少し安めです。
USB PD(USB Power Delivery)とは
USB PD(USB Power Delivery)とは、ひとことでいえばUSBの高速充電ができる規格です。
今や世界中の機器に当たり前のようについているUSBですが、もともとはデータ転送が目的の規格でした。ところが給電の機能のほうが注目され、このUSb PDのような電力伝送に特化した規格が誕生するまでになっています。
USB PDは最大で100Wまで出力でき、V(ボルト)数は5V、9V、15V、20Vの4種類があります(最新バージョンのv1.1)。これまでのUSBは5Vのみだったので、この時点ですでに高出力。
ただ、100Wはあくまで仕様上の数値で、発熱や安全性の問題からモバイルバッテリーはそこまで高出力の商品はありません。現在の主力商品では最大30Wになっています。
たとえば対応品のRAVPower 20100mAhですと、充電の出力は5V/3A、9V/3A、12.0V/2.4A、15V/2A、20V/1.5Aの組み合わせがあります。
どの電圧/電流で充電するかは、バッテリーと接続した機器でUSB充電の情報を交換し合い、自動的に最適な組み合わせを選びます。だから無理な出力を与えて機器が壊れる、といったことが起こりません。
USB PDのメリット
ハイスピードで充電できる
通常のUSBは5Vで1Aとか2.4Aとかの出力なので、前者なら5W、後者なら12Wになります。対してPDだと最低でも5Vで3A、9V/3Aなどで出力できます。
USB PDにきちんと対応している機器ならまちがいなく充電時間を短縮できます。
Macbookシリーズが充電可能
USB-C端子を備えた12インチのMacbookや最新のMacbookproシリーズなら、USB-PDで充電ができます。ただし、マックブックプロの純正充電器の出力は61Wなので、最大で30Wのモバイルバッテリーでは充電時間が2倍ほどかかってしまいます。
アダプタの共通化で荷物が減らせる
PD対応機器なら同じバッテリーで充電できるので、ノートパソコンの専用電源アダプタが不要になります。出張などできるだけ荷物を減らしたい場合にありがたいですよね。
USB PDのデメリット
機器の値段が高い
現状ではUSB-PD対応のモバイルバッテリーは20,000mAh以上の大容量のものがほとんどで、どうしても値段が高くなってしまいます。
今後PDがもっと浸透すれば対応品の数もふえ、リーズナブルな商品も充実してくるのではと思います。
充電できないノートパソコンがある
USB-C端子のついたノートパソコンのすべてが、USB PDのモバイルバッテリーで充電できるわけではありません。
たとえばレノボの人気モデル「Xi carbon」シリーズは、2017年モデルから電源端子が専用のものからUSB-Cに変わりましたが、充電には最低45Wの出力が必要なようです。
つまり、最大でも30Wしか出力できないPD対応のモバイルバッテリーでは充電することができません。
見た目が同じでも非対応ケーブルがある
USb PDはバッテリーや充電器だけでなく、ケーブルが対応している必要もあります。これが見た目にはわからないので非常にややこしい。
対応品はパッケージの分かりやすい部分にシールや印刷で記載されているので、まちがって非対応品を選ばないようしっかりとチェックする必要があります。
PD以外のUSB充電規格もありますが
USB PDはUSBを推進するNPO団体(USB Implementers Forum,Inc. アップルやヒューレット・パッカード、インテル、マイクロソフトなど合計996社からなる団体)が策定した世界共通的なものですが、他にも各メーカーが独自に提唱している規格があります。
これがUSB充電をややこしくしている原因です。同じUSB端子なのに充電の規格が違うといわれても、電流は目に見えないですしイメージできないですよね。
充電時間はもちろん早いほうがいいので、機器メーカーも何とか他社と差をつけるために、独自規格の争いになっているのが現状です。
対応充電器がそれぞれ違うとなると、ユーザ的には煩雑なことこの上ありません。理想をいえばUSB PDでの統一なのですが、その道のりはまだまだ遠そうです。
以下はPD以外の独自規格をまとめました。
Quick Charge
Quick ChargeはアメリカのQualcomm(クアルコム)社が開発した充電規格で、主にスマートフォンやタブレットを高速充電することが目的です。
普通のUSB充電では5Vを使いますが、Quick ChargeはUSB PDのように5V/9V/12V/20Vと大きな電圧を使えるので、急速充電が可能になるわけです。
最新ではQuick Charge 4.0が登場していますが、下位互換を備えているので古い機種だと使えなくなる、といったことはありません。
さらに電圧を3.6V~20Vの間で細かく変化させられるので、より機器に合った充電パフォーマンスを発揮できます。
どの電圧を使うかは充電側が自動で接続する機器を判別するので、何も設定する必要はありません(対応しない機器は通常のUSB充電になります)。
PowerIQ
PowerIQはモバイルバッテリーを製造販売するAnker社の技術です。よくアマゾンのAnkerの販売ページで「機器に合わせて最適な出力で充電」というフレーズを見かけませんか?
接続した機器のタイプを自動的に検出し、最適な電流を流して充電するのがPowerIQの特長ですが、前述のQuick Chargeにもあるように何もPowerIQにしかない技術ではありません。
PowerIQ現在バージョン2.0になっていますが、電圧は5Vで固定されており、最大で18Wまでの出力ができます。つまりUSB PDほど高出力で充電はできません。
PowerIQ(2.0)の出力タイプ一覧
電圧(V) | 電流(A) | 出力(W=V×A) |
---|---|---|
5V | 1A | 5W |
5V | 2A | 10W |
5V | 2.4A | 12W |
9V | 2A | 18W |
12V | 1.5A | 18W |
iSmart
iSmartはRAVPower社が採用している高速充電規格です。PowerIQと同じく、接続された機器のタイプを検知し、それに最適な電力で充電を行います。
100%の確証はないのですが、機器判別に使っている電子部品(USB充電ポート・コントローラー)そのものは同じようなものを使っている可能性が高いです。
充電時のUSBポートの電流は2.4AまでとこれもAnkerと共通です。
記事のまとめ
より高出力でスピード充電できるUSB PDは、スマホやタブレットはもちろん、ノートパソコンでの充電に大活躍します。
ただし、対応しているバッテリーや充電器が少なく高価、ケーブルにも対応品が必要といろいろ注意する点があります。最新のUSB-C端子があるからといって全てがPD対応、というわけでないのがややこしい部分。
特に最大出力が30W程度のPD対応モバイルバッテリーでは、マックブックの充電はできても他社ノートパソコンが充電できない場合もあります。
今後、PD対応の機器が充実して値段が安くなればいいのに、と思います。