人間、平均寿命の半分も過ぎると、身体のあちこちにガタが出てきますよね・・・。
かれこれ2ヶ月ほど、逆流性食道炎のような症状(胸焼け、胃のもたれ)が続いていて、怖くなってきたので胃カメラ検査を受けてきました。
口からの胃カメラは嫁が受けて地獄の苦しさだったと聞き、耐えれる自信がなかったので鼻からにしました。画質が劣るらしいですがとりあえずはいいだろうと。
検査の流れや料金、受けてみた感想などをまとめたので、受診を考えている方はぜひ見てみてください。
鼻から胃カメラの当日の流れ
いよいよ胃カメラ当日。検査の流れは以下の感じでした。
2.鼻に麻酔薬を注入する
3.10分くらい待つ
4.鼻から胃カメラ検査
5.結果を聞く
指示通り、前日の夕食のあとはいっさい食べ物を口にせず、当日の朝に水を少し飲んだだけ。腹が減ってるせいか少しムワッと胸焼け感あり。
病院について診察室に入ると、まずは胃の中をきれいにする薬を渡されました。
100ccくらいの小さめの紙コップに透明の液体が入っていて、それを一気に全部飲んでくださいとの指示。これは甘みや苦味などの味がなく、ややとろっとした薄めのスポーツドリンクのような感じでした。
注射器で鼻の穴から麻酔薬を注入される
飲み終わると隣の部屋へ案内され、そこに置いてあるベッドに横になるように言われました。
寝転んでしばらくすると、看護師さんが何やら注射器のような物を持って登場。それは鼻に注入する麻酔薬でした。先っぽを鼻の中に入れられ、にゅる~っと麻酔を流し込まれます。
これは相当苦いらしく、鼻から直接喉へ流れるので舌を通らないのに、しばらくするとなかなか強烈な苦味が襲ってきました。
思わず吐き出したくなりますが堪えて飲み込みます。気持ち悪い。
すると、だんだん鼻の内部の感覚がなくなってきました。この感覚は歯医者で虫歯治療を受ける際の麻酔に似ています。局所麻酔なのでその部分だけ感覚が消える感じです。
ここで、何となくちょっと息苦しい感覚を覚えました。はじめての検査でビビってて過呼吸気味だったのかもしれません。落ち着いて普段の呼吸を意識するとじきに収まりましたが。
看護師さんがやってきて、どちらの鼻の穴が通りがいいか聞かれたので「左」と回答。
いよいよ胃カメラ検査
麻酔薬を入れて10分くらい経ったころ、いよいよ隣の部屋へ行き胃カメラ検査が始まります。
鼻からの場合はやや背もたれを倒したベッドに仰向けになると聞いていましたが、そんなことはなく、身体の左側を下にして横になる体勢でした。
先生からの指示で、唾液が溜まったら飲み込まずに口から出すように言われました。
鼻からは楽とはいえ、胃カメラは胃カメラなので、どれぐらい苦しいんだろう、怖い、とビビりまくっていました。
経鼻の場合は口の時のマウスピースもなく、麻酔の効いている鼻に直接カメラを差し込まれていきます。
寝転んだ顔の目の前に大きなモニタ(27インチくらい?)があり、自分の内臓をリアルタイムに見ることになります。
ちょうどストローやたばこくらいの太さの胃カメラが鼻から入っていきます。
もちろんですが鼻腔からその奥の狭くなっている部分など、全部丸見えでカメラはどんどん進んでいきます。しばらく行くと声帯が見えてきました。
このあたりで、やや喉や胸辺りに軽く引っかかるような感覚がありましたが、特に吐き気や苦しさはありません。
気になっていた食道は意外に普通だった
やがて、今回最も気になっていた食道へ到達。素人目に見ても特に荒れてたり炎症の感じはなく、つるんとホルモンみたいな薄いピンク色をしていました。
先生の様子を見ても特に気になるような反応はなく、カメラも食道であまり止まることなく胃の方へ進んでいきます。
食道の先には小さな黒い穴がぽつんと空いていて、そこが胃の入口のようです。胃に入る時に息苦しさを感じる場合があるそうですが、特に何もありませんでした。
というかこの辺りで「あれ、胃カメラって全然余裕?」と思うほど拍子抜けな感じでした。
話すこともできますし(カメラの位置によっては声を出さないように言われることもありました)、口から胃カメラの地獄のような苦しさを散々聞いていたので、それとは完全に別世界だと思います。
胃は一見きれいだが表層に少し炎症が
モニターに広がる自分の胃の内側。恐る恐る見てみると細かいヒダがたくさんあるのがわかります。
色は食道よりは少し黄色っぽい感じで、見た目には荒れている様子はありません。もし何か悪いものがあったら・・・とかなり見るのが怖かったのですが。
先生の「胃の中はきれいですね。ピロリ菌もいないです。」と言ってもらえてかなり安心。
胃の次は十二指腸までカメラは進みます。初めて知ったのですが、胃の出口ってかなり狭いんですね。食道と胃の境目よりもずっと小さい穴が開いている感じです。
十二指腸がけっこう荒れていた
狭い穴を通り抜けるとバッと十二指腸の景色が広がりますがここで先生から一言。
「うわ、十二指腸が荒れていますね・・・。」
確かに、十二指腸の内壁のあちこちに赤い点があったり、ポリープのように出っ張っている部分がありました。
状態としては潰瘍まではいかないものの、粘膜の表面が荒れて炎症を起こしている状態だそうです。胆嚢から分泌された胆汁が出てくる十二指腸乳頭も見えました。
十二指腸の先から続く小腸の入り口を少し観察し(特に異常なし)、再び胃、食道とカメラはどんどん戻っていきます。
この時も特に苦しさや吐き気などはありませんでした。最後に鼻からスルッとカメラが出てきて検査は終了。しばらく安静にしてから、改めて検査の結果を聞きに診察室へ移動しました。
経鼻胃カメラの検査結果は
思っていたより全然楽だった初の胃カメラ。食道と胃、十二指腸を診察した結果を聞きました。先生は私の症状をささっと手書きし、それを見ながら説明されました。
症状2.表層性胃炎(胃の表面が荒れている)
症状3.十二指腸の発赤、炎症
ピロリ菌はなし
やはり食道の出口が少し開いており、そのせいで胃酸が逆流しやすい状態だったようです。
ただ、食道そのものは見た目には炎症などはありませんでした。ですが医師が言うには、逆流性食道炎の症状と見た目の酷さは必ずしも比例しないとのこと。
食道の出口がヘルニアになっている以上、逆流しやすい状態に変わりはないので、暴飲暴食や寝る前の食事などはやはり厳禁です。
胃は潰瘍や癌の原因になるピロリ菌がいなかったのはひと安心ですが、ピロリ菌がいない胃に特有の小さなポリープや表層の炎症がありました。
あとは十二指腸が結構荒れていたのが気になります。これも多すぎる胃酸や胆汁が炎症の原因になるとのこと。
とりあえず胃酸を抑えるタケキャブという薬を14日分処方してもらい、今回の検査が終わりました。
気になる料金は3割負担が適用された
今回の検査の料金は保険の3割負担で3,920円でした。
思っていたより安かったのは、もともと長引く胸焼けが症状としてあり、そのための胃カメラ検査になっているからです。
これが人間ドックや健康診断だと保険が効かず、すべて実費になってしまいます。決して安くない保険料を払っているので当然といえば当然ですが、やはりありがたい。
記事のまとめ
長引く逆流性食道炎が気になって受けた鼻からの胃カメラ。
事前の麻酔が苦くて気持ち悪かったものの、カメラそのものは苦しさや吐き気、苦痛などほとんどなく快適そのものでした(ただし感じ方は個人差があるので、あくまで私の場合ということです)。
カメラで見ると食道に炎症はなかったものの、食道の出口がゆるく胃酸が逆流しやすい状態が判明。あとは胃と十二指腸の若干の炎症というものでした。
さんざんビビっていた胃カメラが思いのほか楽だったので、これなら今後もバリウム検査より胃カメラでやりたいと思いました。