こんにちは、タノスケです。
パナソニックの電動アシスト自転車「ベロスターミニ」を購入したのでレビューします!
買った理由ですが、本業の合い間にUber Eats(ウーバーイーツ)の配達パートナーを始めることにしたので、足として必要になったからです。
昔から自転車が好きで運転は苦にならないんですが、さすがに年齢からくる脚力の衰えを考え、電動アシストタイプを選びました。
車体各部の詳細や、実際に乗ってみた感想などまとめていますので、気になる方は参考にしていただければと思います。
パナソニック ベロスターミニの詳細レビュー
タイヤの小さなミニベロタイプのスポーツ自転車に、電動アシストユニットを装着したのがベロスターミニ。
外装変速機もついているので、ママチャリタイプとはひと味ちがう走りを体感できます。
走行レビューでも詳しく書いていますが、平地ならアシストなしでも普通に走れます。電動なしのスポーツミニベロと比べても違和感はそんなに感じませんでした。
これが一番うれしかったりします。
購入時に後ろのキャリアだけ追加で装着しました。配達用なのでキャリアがあれば何かと便利ですし。前の荷台は元からついてるので、実用性第一のフルキャリア仕様です。
タイヤ・ブレーキ
タイヤは20インチと一般的なママチャリ(26~27インチ)に比べるとかなり小さめ。
20インチは406と451という二つの規格(大きさが違うので互換性なし)がありますが、ベロスターミニは一般的な406を採用。
406はポピュラーなのでタイヤもさまざまな種類が発売されており、後でカスタムする楽しさもありますね。
配達に使う以上パンクは絶対にしたくないので、さっそく別のタイヤに変更予定(シュワルベのマラソンという耐パンク性の高いもの)です。
前輪も同じく20インチサイズ。太さも後輪と全く同じです。
リムはディープタイプでなく通常の深さの一般的なものなので、チューブのバルブ長で困ることもなさそう。
購入時は英式バルブのチューブが入っています。英式は空気圧の管理がしにくいので、後で米式のチューブに換装しようと思います。
自転車のタイヤバルブは英式、仏式、米式があります。それぞれのメリット・デメリットなどは以下で解説していますので、知りたい方はご覧ください↓
タイヤは20×1.5サイズ。ママチャリや軽快車が約1.3くらいなのでやや太め。
電動アシスト車はモーターやギアボックス、バッテリーなどでどうしても重くなるので、ある程度エアボリュームを確保できる太めのタイヤがいいと思います。
フロントブレーキは普通のキャリパーブレーキ。スポーツ自転車に使われるディスクブレーキ(油圧式もしくはメカニカル式)、Vブレーキに比べて制動力は月とスッポンレベル。
走行中に強めにかけても後輪が浮き上がるジャックナイフのような危ない体勢にならないので、そういう意味では安全性は高いです。
逆に言えば急に止まるのは苦手なので、車や人の通行量が多い市街地走行は、早めの予測運転が事故防止により大切だと思います。
後輪のブレーキ部分。こちらもママチャリでおなじみのローラーブレーキがあしらわれています。さすがに最もランクの低いバンドブレーキでなくてよかった。
バンドブレーキというのは、1万円台とかの低価格な自転車によく付いている後輪ブレーキです。古くなるとギギギギーーーーっと耳をつんざくような音が出るのが特徴。
しかも雨などで濡れたらとたんに効かなくなる代物です。
ローラブレーキも決して高級な物ではないですが、バンドブレーキよりはずっとマシです。
とはいえ、パーツなんて後からいくらでも変えられるので自分的には問題ないです。
クセがなく素性の良いフレームと信頼性の高い電動ユニットがこの価格で手に入ることに価値があると思っています。
ブレーキレバーもメーカーはわかりませんが(たぶんテクトロのOEMとかだと思います)、スポーツタイプによくある形のものですね。
ハンドル周り
次はハンドル、シフト(変速機)、電動アシストの操作パネル、グリップなどについてレビューしていきます。
まずはハンドルは直線に近いフラットバータイプ。手前に向かってわずかに湾曲しているので、握る部分がやや身体にちかくなり運転はしやすいです。
とはいえ、スポーツタイプが初めての方なら、前傾姿勢による手首への負担が最初は気になるかも。
ハンドルを切り詰めて断面を見ていないのでわかりませんが、おそらくスチール製で重いので、軽量化するならアルミハンドルに買えるのがコスパの面でも最適。
電動アシストなので仕方ないとはいえ、20kg超えのヘビー級なので、軽量化は可能なパーツから少しずつやっていければと思います。
ハンドルの左側についている操作パネル。
アシスト力の調整やライトの点灯、距離や速度など表示モードの変更などはすべてこのパネルから行います。各操作はボタン式で単純明快、とてもわかりやすいです。
電源を入れた状態。アシスト力の最も弱いロングモードになっているので、左上のエコナビランプが点灯しています。
同じパナソニックだから当然なのかもですが、冷蔵庫やエアコン、空気清浄機とかと同じランプがあるのって何か面白いですね。
アシスト力が一番強いパワーモードにするとエコナビランプが消灯。
電源を入れるとライトが自動で点灯しますが、エコナビランプの横にある照度センサーによって、明るければ消灯、暗くなると自動で点灯してくれます。
ライトボタンを押せば手動でオンオフもできます。
シフトは手首をひねることでギアを変えられるシマノのレボシフトを採用。ハンドルから手を離すことなく変速できるので運転がスムーズです。
しかも一気にひねれば数段飛ばして変速できるのもメリット。同じシマノのラピッドファイヤなどプッシュ・プルレバー式のシフトよりも多段変速のしやすさに一日の長があります。
さらに変速機の構造が単純で壊れにくくメンテナンスしやすいのも、日常的に使うマシンとしては見逃せない好ポイント。
ライトは砲弾型のLEDタイプを採用。根本にあるネジで照射角度の調節も簡単にできます。
電源はバッテリーから供給されるので、電池切れを気にしなくていいのもありがたいですね。ハンドルにマウントされてないので手元がゴチャゴチャしないのもいいです。
グリップは円筒ではなく平べったいタイプ。握るというより掌を置いて包む感覚ですね。
円筒形より手のひらへの荷重が分散するので疲れにくいですし、長時間の運転でも痛くなりにくいです。とはいえバーエンドはないですし手のポジションの自由度は低め。
長距離ツーリングならドロップバーが楽ですが、短距離移動が多めという用途を考えれば、とりあえずこれでやってみて問題があれば対策したいと思います。
バッテリー・駆動部分
バッテリーは8Ahタイプが標準でついてきます。もっと容量の大きい12Ah、16Ahの純正バッテリーに換装も可能。
もちろん走行距離は伸びますが、その分バッテリーが重くなります。
専用の充電器を使い約4.5時間でフル充電が可能。
これも実際に配達で使ってみて、明らかに容量不足を感じたら換える選択肢もありますが、バッテリーは高価ですし当面は8Ahで行こうと思います。
というのも、実際に走ると坂道でなければアシストなしでも全然快適だったんですよね。だから常時アシストありでなくてもいいような気がします。
モーターやギアボックスなどが収められた駆動部分。
最近、スポーツ自転車専用の電動ユニットを搭載したE-Bike(イーバイク)が流行の兆しを見せていますが、このベロスターミニは一般車用のアシストユニットが採用されています。
駆動系を守り、ズボンの裾の汚れも防いでくれるチェーンカバー。かなり大型なので安心感があります。
カバーがあると中のチェーンホイールのメンテナンス性は下がりますが、電動ユニットと連結するこの部分を自分でいじることはないと思うので、しっかりとカバーされている方がいいですね。
後輪の変速をするディレーラー。シマノのターニー(Tourney)という、スポーツ系の変速機では最も低い入門グレードのものです。
手前にせり出す形でディレーラーガードがあるので、右側に倒した、転倒した場合にディレーラーを守ってくれます。
カセットスプロケットは7枚。つまり7段変速になります。
カギ・スタンド
カギはママチャリでよくある、後輪をロックが通るサークル錠が。
配達で玄関に届けている間とか、ちょっとした駐輪時に手軽で役立ちそう。用途によりますが、私の場合ほぼ100%配達利用なので、重いワイヤーロックやU字ロックは不要ですね。
基本的に、カギは頑丈になるほど大きく重くなるので、自分の利用状況を考えた上で最適なロックを選ぶのが賢いです。
スタンドが標準装備なのも何気にうれしいです。カッコより実用性第一。
サドル
サドルはスポーツタイプとしてはかなり幅広、フカフカなもの。お尻が痛くなることはなさそうです。
ただし大きいぶん重いので、軽量化をするなら真っ先に変更したい部分ですね。
サドルのステムはクイックリリース式での固定なので、レバーを起こすだけで高さ調節が可能。工具いらずで手軽ですが、サドルを盗まれるリスクも増すので注意は必要です。
その他
ハンドルとフレーム本体をつなぐステムは、スレッド式という古典的なパーツを使用。
やや上向きの角度なので、ハンドルの位置が低くならず極端な前傾姿勢にならないのはグッド。万が一転倒などでハンドルが左右にずれても、上部のボルトを緩めるだけで角度を調節できるのも手軽でいいです。
ケーブル類はフレーム本体の中を通すつくりになっています。何本ものケーブルが露出しないのでデザイン的にスマートですし、紫外線や雨などによる被覆の劣化を防げます。
ベロスターミニで走ってみた感想
ベロスターミニで実際に走った感想をまとめました。
まずは、多段変速と電動アシストのバランスが抜群にいいです。
7段変速というのは、9速や10速が当たり前のスポーツ用自転車としては少ないほうですが、それでもママチャリの3段に比べると圧倒的に多いです。
段数が多いということは、隣の段とのギア比が近い(クロスレシオ)、つまりよりきめ細かくギア比を選べるので足への負担を減らすことができます。
そこに電動アシストが加わることで、より自然に力強い走行フィールが得られます。
これが3段変速の電動アシストだと、状況によっては1速、2速+アシストだとペダルが軽すぎ、でも3速だと重いなんて状況がありますが、ベロスターミニではそうした違和感がありません。
上り坂や下り坂、発進時、巡航時、荒れた道、強風時など、状況によって最適なギア比は変わりますが、どの段数にしても最適なアシストで気持ちよく走ることができます。
最も驚いたのがアシストOFF時の走行感
アシスト時の走りよりも驚いたのが、アシストをOFFにした時の走行感です。
これまでマウンテンバイク、ロードレーサー、クロスバイク、ミニベロといろいろなスポーツバイクに乗りましたが、ベロスターミニは電動アシストを切っても普通のスポーツ自転車とそう変わらない感覚で走れるのです。
もちろん20kgを超える重量や僅かなクランクの抵抗など、電動なしのスポーツバイクとまったく同じではないですが、乗る前に思っていたよりは全然普通です。
これなら上り坂だけ電動ONでもいけそう、と思えてしまうほど。
実はこれが一番の収穫だったと思います。
配達に使う以上、途中で絶対にバッテリー切れだけは避けたいと思っていて、平地ではなるべくアシストなしで走るつもりでした。
これだけ自然な走行感なら、電動アシストを極力使わない乗り方ができそうです。
8Ahバッテリーの走行距離が、最もアシスト力の弱いロングモードでも60km、最も強いパワーモードだと31kmほどなので、アシストオフ時に違和感なく乗れるのは大きな武器になりそうです。
スポーツ系ミニベロが初めてなら気になる部分も
ベロスターミニはフレーム形状もクセがなくて乗りやすいですし、特に大きな欠点はないバイクだと思います。
ただ、スポーツタイプのミニベロに初めて乗る、という方はいくつか気になる点が出てくるかもしれません。
まずはフレームのトップチューブ(上部のパイプ)がシティサイクルのように窪んでいないので、乗り降りがしにくい、怖い、と感じることですね。
あとは「ハンドルが軽すぎる」「小回りが効くけど安定感がない」と思う方がいるかも。
とはいえ、これはベロスターミニに限らずスポーツ系ミニベロによくある特性といえるので、乗り込んでいって慣れるしかない部分かと思います。
記事のまとめ
Uber Eats(ウーバーイーツ)のために購入した電動ミニベロ、パナソニックのベロスターミニ。
後ろが多段変速のスポーツ系電動アシスト自転車は初めて乗りましたが、自然な走行感とアシストOFF時でも快適な走りに驚きました。
バッテリー節約のために、平地などでは電源を切っても違和感なく走れそうです。
小径タイヤ特有のハンドルの軽さ、安定性の低さなどは見受けられるものの、全体的な印象ではさすがパナソニック、という感じで完成度の高い電動アシストミニベロでした。
これが10万円を切る価格で手に入るのは、どう考えてもお買い得だと思います。