こんにちは、タノスケログ管理人のタノスケです。
車にしてもバイクにしても、燃費なんかどうでもいい、という方は少ないですよね。なんでガソリンの値段って1円高くなるだけであんな損した気持ちになるんでしょうか?
この記事では、タイヤの空気圧と燃費の関係を、実際に私のバイク(PCX150)で検証した結果をもとに解説しています。
結果からいいますと、タイヤの空気圧と燃費はとんでもなく関係アリ!です。
あなたの愛車も、空気圧を管理するだけでびっくりするほど燃費が改善するかもですよ。
実際にタイヤの空気圧と燃費の関係をバイクで検証
私が近所への足やちょっとしたツーリングに使っているバイク、ホンダPCX150。
今回の実験はこのPCX150を使います。
PCX150のタイヤの指定空気圧は225kPaなのですが、わざと空気を抜いて同じルートを走り、燃費がどれくらい落ちるか検証するというものです。
②ちょっと抜いて185kPa
③さらに抜いて150kPa
PCX150はインパネ部分に現在の燃費がリアルタイムで表示されますし、設定ボタンを長押ししてトリップメーターをリセットすれば燃費計もクリアになります。
なので、空気圧を変えるごとに都度リセットすれば、その状況での燃費を正確に測れます。
一定速度にしやすいバイパス道路を走ってみた
ちょうど家の近くに距離にして10kmほどのバイパス道路があり、信号もなく一定速度で走りやすいのでそこで検証することにしました。
制限速度は80km、できるだけ同条件での燃費がでるよう、80km定速走行を行いました。
まずは指定空気圧の225kPaから
指定圧の225kPaにきっちり合わせます。この空気圧だと親指でかなり押してもほとんどタイヤは凹みません。
前輪の指定空気圧も同じ225kPa。
走っていても道路の継ぎ目やマンホール、凹みなどの衝撃がかなり伝わり、タイヤに空気がぱんぱんに入っているのがわかります。
PCX150は14馬力と特にパワーは高くないですが、スルスルと加速し、気がつけば制限速度の80kmに。このスピードなら巡航も余裕でこなします。
具体的な数値は書きませんが、回転リミッターが作動する最高速までストレスなく加速できます。
以前乗っていたスズキのアドレスV125G(原付二種)と加速そのものは大して変わりませんが、高速域での伸びはやはり排気量の差を感じます。
燃費は驚異の60km/L超え!
バイパスを往復しスタート地点へ戻ってきました。燃費計を見るとなんと60.8km/L。
いくら燃費のいいPCXといえど、スクーターで60km/L超えるのは驚異のひと言。
やはり信号待ちがなく定速で走行できるので、燃費は抜群に伸びますね。いつも、街中を普通に走った場合45~48km/Lくらいなので、かなりの違いが。
ちょっと抜いて185kPaに
ではここからが本番。空気圧計の丸い先端で米式バルブ内のピンを押してブシューと空気を抜き、185kPaに。ゴム臭くて生暖かい風が顔に吹き付けます。
前輪も同じように空気を抜きます。指定圧の時と同じくらいの力で押すと、ややタイヤの凹みを感じます。
でも、実際に運転しても、これくらいの空気圧だとあまり違いを感じません。これで本当に燃費に差が出るのかと思いつつ再びバイパスへ。
80kmまでの加速も特に変化なしですが、やや慣性で進む力が弱くなったような・・・速度キープするのにややアクセル開度に気を使う感じです。
燃費はなんと5km/L以上もダウン
戻ってきて燃費計を見ると、55.3km/Lと指定圧の時より5km/L以上も悪化しました。
ライディングしている時はさほど違いを感じなかっただけに、この数値には驚きました。空気圧を下げるだけでここまで燃費が落ちるのか、と改めて実感。
と同時に、もっと空気を抜いたらどこまで落ちるんだろう、と変な期待も。
さらに抜いて150kPaに
さらに空気を抜いていき150kPaに。およそ指定量の1/3の空気を抜いたことになります。
さすがにここまで空気圧を下げると、指で強めに押すとタイヤ表面がけっこう凹みます。感覚的ですが、これ以上圧を下げると走るのに危険を感じるギリギリのラインかと。
空気圧を下げるとパンクの危険も上がりますし、万が一80kmで走行中にバーストしたりタイヤが外れたら洒落になりませんし、これ以上は下げないようにしました。
前輪も同じく150kPaに。
走り始めると、すぐに乗り心地の違いに気づきます。何かふわふわしますし、タイヤの張りがなくグニャッとした感じです。
安定感がないので、交差点などを曲がる時に車体を倒したくなくなります。
あと、とにかく加速が悪い。アクセルを回してもエンジン音だけ大きくなってバイクがついてきません。
PCX150はタコメーターがないのでエンジンの回転数はわかりませんが、同じ80kmを出すのに明らかにさっきよりも回転数が高くなっています。
これはいかにも燃費に響きそう・・・。
指定空気圧の燃費より約10km/Lも悪化
最後のコーナーを慎重に曲がりスタート地点へ帰還。
燃費計を見ると、なんと指定空気圧よりほぼ10km/L低い50.7km/Lをマーク。185kPaの時と比べても5km/L近く悪化しています。
念のためにいうと、燃費を悪くするために荒く運転したとか、距離を誤魔化したとかはもちろん一切ありません。
ほぼ同じ走行条件で、空気圧だけ変えた結果がこれです。
タイヤの空気圧と燃費は関係ありまくり
ということで、それぞれの空気圧と燃費の結果を表にしました。もう明らかに、空気圧が燃費に影響しているのがわかります。
タイヤの空気圧 | 燃費(km/L) |
---|---|
225kPa | 60.8km/L |
185kPa | 55.3km/L |
150kPa | 50.7km/L |
タイヤの空気圧を下げると燃費が悪くなる理由
ではなぜ、タイヤの空気圧を下げると燃費が悪くなるかを考察していきます。
ここで「接地面積」と「転がり抵抗」という2つのキーワードがカギになります。
これらのボールを同じ力で前に転がしたらどちらが遠くまで転がりますか?
こんなの空気が入ったボールの方に決まってますよね。
なぜ遠くまで転がるかといえば、空気がパンパンに入ったボールは変形しにくいので地面との接地面積が少なく、その分抵抗が少ないので遠くまで転がります。
タイヤも同じで、空気がより多く入ったタイヤのほうが、車体の重みや走行時の荷重移動でも変形しにくく、転がり抵抗が少ない状態で走行できます。
抵抗が少ないということは、同じスピードを出すにもエンジンの負担を小さくできるので、その結果ガソリンの消費効率がよくなり燃費が向上します。
反対に、空気の抜けた柔らかいタイヤは変形しやすく地面との接地面積も大きいので、その分抵抗も強くなります。
すると車体を動かすためのエンジンの負担はあがり、その結果ガソリンを多く消費するので燃費は悪化します。
空気圧はじょじょに下がるのが普通
パンクでもしない限り入れた空気がすぐ抜けることはないですが、それでも時間が経つとだんだん減ってきます。
もちろん車種によってばらつきはありますが、空気を入れて1ヶ月で5%の空気圧低下があるといわれています。
酸素がタイヤの穴に入り込む
なぜ空気が抜けるかというと、タイヤのゴムは実はたくさんの穴があいているからです。
といっても、もちろん目でわかるような穴ではなく分子レベルに拡大すると細かい穴がたくさんあり、そこに空気中の酸素分子が入り込んだり、通り抜けていきます。
酸素は空気の約20%の量があるので、ゴムに吸収された分空気圧が下がるというわけです。
ガソリンスタンドでは、有料の場合が多いですが空気の代わりに窒素を充填することもできます。
空気の78%を占める窒素分子は不活性といって動きが鈍く、酸素分子よりゴムの穴に入りにくいので、空気圧が下がりにくいメリットがあります。
ガソリンスタンドに行かなくてもタイヤの空気は補充できる
車やバイクのタイヤは、ガソリンスタンドで空気を入れることが多いのではないでしょうか。無料ですしきちんと空気圧を合わせてくれますし助かりますよね。
でも、空気圧をきちんと管理するなら、いつでも自分の家でできるほうが理想的です。
ご存知の方もいるかもですが、車やバイクのタイヤは空気を入れる部分が米式バルブになっていて、一般的な空気入れを使える場合があります。
なぜなら、米式バルブは自転車でも使われるスタンダードなものだからです。
タイヤのバルブは米式のほかに英式、仏式の3種類があり、それぞれの特徴などは以下の記事で解説しています↓
米式に対応した空気入れを一台持っておけば、いつでも自宅で愛車の空気圧管理ができるので、燃費もベストパフォーマンスを出せますね。
家で簡単に空気を入れられる電動コンプレッサー「エアホークプロ」を使ってみました。詳しいレビューはこちらから↓
バイク(PCX150)の指定空気圧225kPaから150kPaまで減らして走ったら、リッターあたりの燃費が約10kmもダウン。
空気圧を徹底的に管理をすることが、燃費向上に必須だと実感しました。