こんにちは、タノスケログ管理人のタノスケです。
2018年に入っていきなり、仮想通貨(暗号通貨)に投資している者として最も恐れていたことが現実に起きてしまいました。
現在日本の取引所最大手といえるコインチェックがハッキングに遭い、仮想通貨NEM(XEM)5億2,000万枚、日本円換算で約580億円相当額が盗まれてしまったのです。
これだけの大きな被害額は、2014年のマウント・ゴックス社のビットコイン盗難事件以来。
私は幸い所有通貨のほとんどを外部ウォレットに保管していたので少ない被害額でしたが、やはり今回の事件でより安全な保管への意識を高めないと、と強く感じました。
ですので、この記事では私も利用しているハードウェアウォレットの紹介を中心に、仮想通貨の保管に欠かせないウォレットについての知識を解説していきます。
とにかく、今回被害に遭われた方の損失が最小限に済むことを心より祈っています。
おすすめはハードウェアウォレット
まず結論からいいますと、ウォレットはさまざまな種類がありますが、最もおすすめはハードウェアウォレットになります。
ハードウェアウォレットというのは、物理的にインターネット(ネットワーク)から完全に遮断された機器に、秘密鍵などを保管できるものです。
ハードウェアウォレットによって通貨を保管した場合、ネットワークにつながっていないので理論的にはハッキングなどに遭う危険はなくなります。
USBメモリのような形をしていて、サイズもコンパクトなので収納にも場所を取りません。
現在、人気が高く信頼できるのはLedger Nano S(レジャーナノS)とTREZOR(トレザー)になります。それぞれの特長を解説していきますね。
Ledger Nano S(レジャーナノS)
フランスのLedger社が製造販売しているハードウェアウォレットがこのLedgerNanoS。
暗号通貨のハードウェアウォレットでは最もメジャーな製品のひとつといっていいでしょう。1台で5種類の通貨まで保管可能で、比較的操作方法もわかりやすくできています。
電池や電源は必要なく、専用アプリを立ち上げパソコンのUSB端子に差し込めば使うことができます。
Ledger社の公式サイトや日本の販売代理店から買うことができますし、一時は入荷待ちが続きましたが今は落ち着いているようです。
対応通貨は
レジャーナノSは現在(2018年1月)Bitcoin(BTC)、Ethereum (ETH)、Litecoin(LTC)、 FIDO U2F、Dogecoin(DOGE)、Zcash(ZEC)、Dash、STRATIS(STRAT)、Ripple(XRP)、HELLO、Bitcoin Cash (BCH)、Komodo(KMD)、Ethereum Classic (ETC)、PoSW(POSW)、Ark(ARK)、Expanse (EXP)、UBIQ (UBQ)、PIVX(PIVX)、Vertcoin(VTC)、Viacoin(VIA)、NEO(NEO)、StealthCoin(XST)、Bitcoin Gold (BTG)、Stellar(XLM)、Hcash(HSR)、Digibyte(DGB)、Qtum(QTUM)の27種類の暗号通貨に対応しています。
ビットコインはもちろん、その他アルトコインと呼ばれる銘柄も主要なものの多くを抑えていますし、マイナーな通貨も対応しているのはさすがですね。
TREZOR(トレザー)
レジャーナノSと並んで定番商品となっているのがTREZOR(トレザー)です。
世界100カ国以上で使われているほど有名なハードウェアウォレットで、レジャーナノSと同じく電源入らずでパソコンのUSB端子に接続して使用します。
こちらも公式サイトのオンラインストアから購入が可能です。
対応通貨は
TREZORの対応通貨はBitcoin(BTC)、Litecoin(LTC)、Dash、Zcash(ZEC)、Bitcoin Cash (BCH)、Bitcoin Gold (BTG)、Ethereum (ETH)、Ethereum Classic (ETC)、ERC-20 Tokens、Expanse (EXP)、UBIQ (UBQ)、NEM (XEM)、Namecoin、Dogecoin、Bitcoin Testnetの11種類。
数自体はレジャーナノSよりは少ないですが、NEMなどレジャーナノS非対応の通貨も利用できるので、一概に劣っているとはいえません。
ハードウェアウォレットへの疑問点
ここでは、ハードウェアウォレットに対してよくある疑問点について解説していきますね。
ハードウェアウォレットが壊れたらお金はなくなる?
これはよく勘違いされている方が多いのですが、ハードウェアウォレットが壊れてしまったら中にある仮想通貨は取り出せないの?という疑問です。
結論から言えば機器が壊れても問題ありません。暗号通貨のデータはハードウェアウォレットに入ってるワケではないからです。
正確には、コイン(データ)はブロックチェーンのネットワーク上にあり、ハードウェアウォレットは自分が所有している通貨にアクセスするために必要な鍵のようなものだからです。
これを仮想通貨の用語で秘密鍵といいます。
ですのでハードウェアが壊れたり水没したりしても、秘密鍵にアクセスするために必要なリカバリーフレーズを保管しておけば、新たに用意したハードウェアウォレットで復元することできます。
バックアップフレーズがわからなくなったら?
逆にこれは非常にまずいです。リカバリフレーズを記録した紙やデータを紛失したままウォレットを壊したら致命的。二度と自分の通貨を取り出すことはできなくなります。
たとえ1億円分持っていてもその時点でパァ。
よく仮想通貨の運用は自己責任といわれますが、こうした状況の時に持ち主も含め誰にもどうしようもできないことが理由です。
それは、ブロックチェーン最大の特長「データの改ざんが不可能」ことの裏返しでもあります。
とはいえ、そんなの取り返しがつかなさすぎて怖いですよね。仮想通貨が一般化するためには、こうした特性を解決する、つまりユーザーを守る部分での進化が必要だと感じます。
必ず公式サイトか正規代理店で購入するべき!
これは絶対にそうしてほしいのですが、Ledger Nano SやTREZORは必ず公式サイトから購入してください。
特にヤフオクやメルカリで売っている商品を買うなどもってのほか。Amazonで売ってる場合もありますがこれも避けるべきです。
これらの商品はもし悪意ある販売者が一度開封して秘密鍵を盗み取っている可能性もあります。こうした商品を手に入れて実際に入金してしまうと、秘密鍵を知られているのであっという間に資産を抜き取られる可能性も。
繰り返しますが、ハードウェアウォレットはメーカーの公式サイトもしくは日本の正規の代理店から購入するようにしてください。
仮想通貨のウォレットは他にどんな種類が
仮想通貨を保管するウォレットは、ハードウェアウォレットの他にもいろいろなタイプがあります。
以下にそれぞれの特長をまとめました。
ペーパーウォレット
ペーパーウォレットとは、仮想通貨のアドレスと秘密鍵を紙に印刷して保管するウォレットのことです。
アドレスとは公開鍵とよばれるもので、銀行でいえば口座番号にあたります。秘密鍵とは上記でも解説しましたが、口座で言えば暗証番号にあたるものです。
ペーパーウォレットのメリット・デメリット
紙に印刷するので電子的なデータが存在せず、撮影データやスキャンデータでも作成しない限りネット上に漏れることはありません。
そういう意味では最も安全度の高いウォレットになります。必要なものは紙やプリンターなので費用もさほどかからず、複製も容易です。
ただし、保管している場所を忘れたり、火事になったり、地震で倒壊して破損したりしてウォレットを紛失した場合、二度とコインを取り出すことはできません。
長期に保存してインクが劣化し、文字が読み取れなくなったりしても同じようにダメです。
デスクトップウォレット
自分が持っているパソコンにインストールして使うタイプのものが、このデスクトップウォレットになります。
たとえばNEMのナノウォレットなど、それぞれの通貨で公式に用意されているウォレットもあり、高機能かつ優れた使い勝手のものが多いです。
デスクトップウォレットのメリット・デメリット
使い方次第では、ハードウェアウォレットに近い高セキュリティの保管ができることです。
たとえばデスクトップウォレット専用のパソコンを用意し、インストール後はコインの送受信のみ起動、それ以外は常時電源オフにするなど。
漏洩の可能性が最も高いネットワーク接続を極力避けることができるんですね。
ただし、ウォレットをインストールしたパソコンが故障したり、運悪くネットワーク接続中にハッキングやウィルスに感染すると通貨を盗まれるリスクもあります。
また、通貨ごとに特化したウォレットなので、インストールや設定の手順がまったく異なり、初心者にはややハードルが高くなります。
ウェブウォレット
ウェブウォレットとはその名の通り、ネット上で提供されているウォレットサービスのことです。
サーバーやデータはネットワーク上にあるので、ネットに繋がればどのパソコンからもアクセスできる利便性の高さが特長です。
ウェブウォレットのメリット・デメリット
ID、パスワードの登録で使える手軽さ、いつでも送金や入金ができる利便性がメリットな反面、やはり怖いのはデータ漏えいです。
基本的にネットワークに常に接続されているので、ハッキング等の危険がつきまといます。
また、サービスの突然の終了によって預けていた仮想通貨が戻ってこない、といったトラブルも考えられます。
ウェブウォレットは保管や運営が他人任せになるので、面倒さからは解放される反面相応のリスクを受け入れる必要があります。
先日のコインチェックのハッキング事件も、コインチェックのウォレットに入れっぱなしの方が被害を受けました。
頻繁に取引をするぶんならまだしも、まとまった額をホールドしておくなら、ウェブに繋がったウォレットの利用は得策ではありません。
安全性と使い勝手のバランスではハードウェアウォレットが最適
各ウォレットの長所・短所から総合的に判断しても、仮想通貨の保管・運用はやはりハードウェアウォレットが最適だと思います。
リカバリフレーズの管理さえしっかり行えば高いセキリュティが確保でき、いざ入出金する際はサッとパソコンに接続して行える。
一台で複数の通貨を保管できる、多くの暗号通貨に対応しているなど機能性も高いです。
理想をいえば、複数のハードウェアウォレットに分散して保管することで、万が一の事態でも被害を最小限に抑えることができます。
この記事のまとめ
ウォレットにはさまざまなタイプがありますが、独立した機器にデータを保管するハードウェアウォレットが総合的に優れています。
一方、ウェブウォレットなどネットに接続されるタイプのウォレットはハッキングなどでお金を盗まれるリスクも。
特に長期間暗号通貨をホールドする場合は、ペーパーウォレットやハードウェアウォレットでセキュリティの高い保管をしましょう。